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用途の全側面を考慮してください。
トランスデューサーおよびシステム設計を選択するには、特に以下に注意を払い、用途のすべての側面を考慮してください。
重大と考えられる要素を特定してください。
一部の用途は、より複雑性が高く、以下などの重大と考えられる複数の要素を兼ね備えています。
試験を実施してください。
最適な方法は、特定のアプリケーション環境で試験を実施することです。これを行えない場合は、御社の設置図およびトランスデューサー動作条件の詳細説明(環境条件の説明、測定される波形のグラフ、誘導子や導電体など付近で障害をもたらす可能性のある要素、磁性体の存在、または他のトランスデューサーの場所など)をLEMにご提供ください。
「直流」または「定格電流(電圧)」とも呼ばれ、トランスデューサーが伝達可能な最大連続熱電流(電圧)です。
もう1つの定義は、連続動作中に温度が指定値を超えないよう、特定条件下でトランスデューサーを通過することが可能な最大実効電流(電圧)です。これは、50Hzの正弦波信号を使用して測定されます。
測定領域は、非定常状態での最大測定可能ピーク値を限度とします。
電流を出力する電圧トランスデューサーおよび電流トランスデューサーは、正しい測定結果を得るために出力に接続される負荷抵抗器(RBまたはRM、測定抵抗器または負荷抵抗器とも呼ばれます)を備える必要があります。
クローズドループトランスデューサーは、電流を出力する電流発生回路を備えています。負荷抵抗器は、御社の用途に合わせた最良の電流・電圧比を定めるよう設定されます。電流信号は、外乱の影響をうけにくく、これは、トランスデューサーの位置とその信号を処理する制御電子回路の間の距離がより大きい場合に重要となります。
測定抵抗器は、安全かつ最適なトランスデューサーの動作を実現するため、規定の範囲内で使用する必要があります。
トランスデューサーのデータシート規定値の範囲外の値が必要な場合は、最寄りのテクニカルサポートまでご連絡ください。使用条件により、異なる複数の値(周囲温度、電源電圧公差、および測定対象の最大電流・最大電圧)を計算することができます。
定格変換比Kは、定格一次電圧または定格一次電流と定格二次電圧または定格二次電流の比をいいます。クローズドループ電流トランスデューサーの場合、巻数比NP/NSは、ほぼKRの逆数となります。たとえば、巻数比1:1000は、ほぼ1000回の二次側巻数(KR = 1000)および二次電流1mAと、1Aの電流が流れる1個の1次側ターンの比率を示します。
一次側がゼロの場合の規定の電源電圧でのトランスデューサーの電子回路の最大消費電流で、二次電流ISに追加されます。このパラメーターは、電流出力を備えたトランスデューサーにのみ適用されます。
クローズドループ技術を使用したトランスデューサーのみ、電源およびその限度を定義する場合に特別な注意が必要です。クローズドループ電流トランスデューサーおよびクローズドループ電圧トランスデューサーの動作原理により、消費電流ICは、一次側ゼロ時の固定部分と、測定される電流・電圧の関数(IS)である部分の2つの部分に分けることができます。2番目の部分は、以下のとおり計算することができます。
トランスデューサーの動作の特徴付けに使用されるステップ応答時間は、一次電流がその最終値の90%に到達する時間とトランスデューサーの出力がその最終振幅の90%に到達する時間の差をいいます。一次電流は、任意のdi/dt傾斜(通常は100A/µs)と、定格電流値IPNに近い振幅を有する電流ステップとして動作する必要があります。
LEMは、反応時間(tra)を、出力信号の立ち上がり時間と、IPNの総変動の10%で取得される信号の立ち上がり時間の差と定義しています。
トランスデューサーの動作およびその一次電流の迅速な変化に対応する能力を特徴付けるために使用される「di/dtに正確に反応」という言い回しは、応答時間がIPNの90%で1msを超えない範囲で一次電流が変動することを示します。
周波数帯域とは、別途規定されている場合を除き、0Hzと、3dBの減衰量に対応するカットオフ周波数の間の周波数範囲をいいます。信号の振幅および位相が時間に合わせてどれだけ迅速に変化するかを測定した値です。そのため、周波数帯域が大きいほど、信号パラメーターの変動が速くなります。
3dBの減衰量は、
の半値またはその信号振幅の減衰値に相当します。
定格電流は、コア損失による鉄心加熱により、全周波数帯で考慮することはできません。電力損を安全な水準に維持するには、動作周波数が増大する間に実効電流値を引き下げる必要があります。そのため、データシートに記載の周波数帯域は、低電流での測定結果より得られます。
磁性体およびコア設計、ならびに電流振幅と周波数のスペクトル成分により、コア損失の程度が決まります。コア損失は、下図に示すヒステリシスサイクル内の線で囲んだ領域により引き起こされます。
コア損失は、渦電流とヒステリシス損を組み合わせた現象です。
周波数が大きい場合にコアが大きくなるため、これらの周波数における電流振幅を許容水準(トランスデューサーの最高温度による)に制限することが重要です。これは、低振幅信号が高周波数で許容できない水準の損失を発生させる可能性があるため、基本波電流の最大周波数だけでなく、高調波成分も制限することを意味します。
高周波数用途におけるコア損失のため、トランスデューサーの損失を一定に保つため電流を低下させる必要があります。コアの形状の複雑さ、ならびにコア損失と周波数の平方根、磁束密度の平方根、およびハウジングによる電力損の依存関係により、周波数に対する実効電流減定格の計算またはシミュレーションは、不可能ではないにしても極めて困難です。
周波数に対する実効電流のディレーティング曲線は、実効一次電流および周波数の両方を変動させてトランスデューサー内の温度測定を行い、許容最高温度を超えないことを保証することにより得ることができます。
感度および直線性を測定するため、一次電流DCが0からIPMに設定されたのち、再度–IPMから0に戻されます。
感度Gは、全電流範囲(±IPM間のサイクル)における線形回帰直線の傾きと定義されます。
直線性誤差とは、測定点と線形回帰線の間の正または負の最大差をいい、最大測定値のパーセントで表されます。
ASIC(特定用途向け集積回路)は、名前が示すとおり、複数の特定機能を1個のパッケージとして提供するよう設計された集積回路です。
ASICの利点は以下のとおりです。
LEMのクローズドループトランスデューサーの大部分は、二極電源電圧(±15 Vなど)とともに使用する仕様となっています。しかしながら、大部分のトランスデューサーは、単一方向電流の測定のため、単極電源から電力供給を受けて動作することもできます。このような場合、以下を考慮する必要があります (solution is not valid for DV and DVL family)。
LEMのポートフォリオには、単極電源専用のトランスデューサーも含まれており、電子回路の設計および仕様は予測される動作条件を前提に定められているため、これらのトランスデューサーの使用が推奨されています。
使用されるトランスデューサーおよび磁性体の種類により、鉄心の残留束(残留磁化)が「磁気オフセット」と呼ばれる別の測定オフセットを誘導します。その値は、直前のコアの励磁により決まり、磁気回路が飽和した後に最大値となります。励磁は、以下の場合に起こる可能性があります。
励磁により発生したオフセットは、以下の場合に消失します。
磁気オフセットを消去するには、消磁を行う必要があります。消磁サイクルでは、低周波数AC電源を使用してB-Hループ全体を通じてコアを駆動した後、B-H動作点を原点に戻して徐々に励磁を低下させる必要があります。最低でも、全振幅で5サイクルを実施して、サイクルあたり4%以下の速度で円滑に励磁を低下させてください。これには、60Hzで30サイクルまたは500msが必要となります。
クローズドループデバイスについては、補償コイルが消磁効果を無効化しないようさらに注意を払う必要があります。または、励磁と反対の極性の適切な信号を発信することにより、コアの部分的消磁が可能です。ここで困難なことは、十分な結果を得るために正確な振幅および期間を定めることです。用途が適切に定義されている場合、経験的に必要な値を計算し、必要に応じてこの修正を適用することが可能です。
複数の国際標準では、電気、熱、およびエネルギーの安全に関連するオペレーターへの危険を許容可能な程度まで軽減することを主な目的として、適用範囲に含まれる設備に適用される安全要件が規定されています。
お客様の用途により、必要な電圧レベル(定格電圧、過電圧カテゴリー)、安全レベル(機能絶縁、基本絶縁、または強化絶縁)、および環境条件(汚染度)が規定されますが、トランスデューサーの設計により、絶縁体の選択(CTI)および最小絶縁距離の考慮により安全な利用を保証する必要があります。
安全標準により、性能基準に基づく設備の空間距離、沿面距離、および固体絶縁の要件が規定されています。これらの安全標準には、絶縁協調に関連する電気試験の方法も規定されています。
沿面距離は、空間距離以上に設定する必要があります。
部分放電とは、間隙内に発生することの多い絶縁領域の一部で生じる放電です。
間隙内の小さなアーク放電により生じる高温および紫外線放射の結果として、絶縁層が劣化します。徐々に小さな孔が増え、これらの穴の内部でアークが生じ始めます。最終的には、トランスデューサーの一次部品と二次部品の間で完全な絶縁破壊が起こります。
絶縁劣化部分の増大に数年かかる可能性がある場合でも、この最終段階には、1回または複数回の通電期間だけで到達します。
部分放電試験の目的は、LEMのトランスデューサーの長期間使用を保証することです。固体絶縁(ポッティングおよびハウジング)が長期的に以下の大きな電圧応力に耐えることを保証します。
LEMのデータシートでは、10pCレベルでの部分放電消滅電圧Ue(旧データシート)または部分放電試験電圧Ut(最新製品)の値を示しています。
試験の結果は、バスバー(一次導体)の形状およびトランスデューサーの開口部内の母線の位置に強く依存します。
無線ネットワークが有効な場合、メッシュゲートがメッシュネットワーク内で通信しているすべてのデバイスのModbusアドレスを一群のレジスター(2-17:有効なEndNodeデバイスリストのビットマップ)内に報告します。各デバイスは、Modbusレジスター347番から完全なデバイスIDを個別に要求できるよう、一意のアドレスを有する必要があります。下位バイトはModbusアドレスを報告し、上位バイトは以下の表を参照して、正確なデバイスの種類を示します。
EMNデバイスの場合、適用すべき正確なEMNモデルおよび相対倍率を示すモデルコンフィギュレーションレジスター(レジスター49番)を読むことをおすすめします。Modbusアプリケーションは、定期的に新たに有効化または無効化されたデバイスをスキャンする必要があります。
各デバイスについて、一部特定のModbusレジスターは、レジスター204番のRSSI(受信信号強度情報)およびレジスター201番から203番までのホップ情報などのネットワーク情報を提供します。
このデータは、無線ネットワーク(すなわち無線リンクの強度およびデバイスからメッシュゲートへのデータパス)を可視化してくれるため、設置中および保守作業中に非常に役に立ちます。
これは、ノード数が特定タイプのメッシュゲートで許可されている数量を超えた場合に発生します。MeshScapeネットワーク監視アプリケーションが詳細なエラーメッセージを表示します。ご使用のメッシュゲートのタイプを確認してください。これはほとんどの場合、デバイスID「170.247」のMG 6424-10(メッシュノードを含め10デバイスまで)です。
このような場合、メッシュゲートは、より多くのノードを管理することのできるモデルにアップグレードする必要があります(LEMに戻る)。
各メッシュデバイスは、ランプの点滅によりメッシュゲートと通信していることを示します。
何らかの理由で無線通信が切断された場合、すべてのデバイス(メッシュノードを含む)は、メッシュゲートにより設定されたチャンネルと同期するため、すべてのチャンネル(11~26)をスキャンします。
各デバイスは、2.4GHzから2.5GHzの特定の周波数に対応する最後に利用可能となったチャンネルを使用して起動します。全周波数範囲がスキャンされたら、繰り返しスキャンするために各デバイスが再起動します。そのため、メッシュネットワークがかなり大規模な場合、メッシュゲートへの給電が回復したら、メッシュゲートは、暗黙に定義されたすべてのメッシュノードがまず同期を取り、すべてのエンドノードに通信させるよう求めます。このインターバル時間中に、別のチャンネルのスキャンが行われます。
実際には、これには数分から1時間かかります。
適切に設定されている場合、デバイスがお互いの無線範囲内に設置されている同じ拠点に複数のネットワークを導入することができます。
ネットワーク間のクロストークを防ぐため、各ネットワークは、以下の条件に従って設定する必要があります。
各オンラインデバイスのRSSI値が正しくても、ネットワークが以下の理由で不安定となる場合があります。
理論上は、エンドノードとメッシュノード間で使用されるメッシュノードの数には限度はありません。ただし、実際には、以下の点に注意を払う必要があります。
特に既定値が20秒のEMNについては、多数のメッシュノード(MN)を含む構成ではこの設定値を引き上げる必要があります。アプリケーションノート『EMNブロードキャストおよびサンプリングインターバル時間の再プログラミング手順』(こちらからダウンロード)を参照してください。
MeshScapeネットワークモニターおよびメッシュデバイスのModbusレジスター201番で報告されるホップ数は、デバイスからメッシュゲートまでの無線経路内の無線リンク数(「ノード間ホップ数」)を示します。
上記の例のネットワーク構成:
一部のネットワークは、各デバイスのホップ数の少ない多数のメッシュノードで構成されているものもあります。連続するより多くのメッシュノードで構成する必要があるため、ホップ数がより多くなるネットワークも存在します。
MeshScapeネットワークモニターソフトウェアは、使用試験に役立つ以下の情報を提供します。
最終アプリケーションがネットワークの構成および設定を報告または表示できるよう、このデータは現在、すべてModbusレジスターより入手可能となっています。この情報にアクセスするためにModbusからメッシュゲートとの通信を標準(MACS)モードに切り替える必要がなくなりました。
誤った倍率の適用によりエラーが生じている可能性が高いと思われます。ユーザーガイド(4.2.2項)(ここからダウンロード)に記載の表を確認してください。なお、EMN/SP2モデルについては、別の表を使用してください。
UTCレジスターの値は恒久的に保存されず、電源再投入後に0から再始動されるため、メッシュゲートをオンにするたびに必ずUTCレジスターを設定してください。また、メッシュゲートは定期的にすべてのメッシュデバイスを自身のUTC値に再同期させる役割を担っているため、同期ずれ防止のためUTCレジスターを定期的に設定することが推奨されています。
内部マイクロプロセッサーがあまりに頻繁にModbusアクセスを管理しなければならない場合、これがボトルネックとなり、無線通信の速度低下を招きます。そのため、あまり急速にポーリングを行うのではなく、最小期間(通常は1秒)を尊重することが推奨されています。同じ考えで、メッシュゲートは、あまりに多くのModbusコマンドを一時記憶することはできず、連続して数回、通常は10回未満のModbusアクセスしか許容しません。
他方、30分間メッシュゲートへのModbusアクセスが行われない場合は、必ずすべての内部レジスターの内容が消去されます。当然ながら、内部レジスターの大部分は無線通信で伝達される新しいデータで更新されますが、30分に近い間隔でポーリングを行う場合、一部のデータを0として読み込むこととなります。
LEMが提供する無料ソフトウェア(EMNモニター、MeshScapeネットワークモニターなど)を使用して実行できるでしょうか?
カウンターは、該当のModbusレジスターにアクセスすることによってのみリセットすることができます。これらのレジスターは、MeshScapeネットワークモニターまたはMeshScapeプログラマーではなく、Modbusアプリケーションを使用しなければアクセスできません。
ただし、EMNモニターは、このリセット作業を行うための「自動」手順を提供していません。このアプリケーションは、使いやすいデモ用無料ソフトウェアで、これを使用して消費エネルギーをグラフで報告することができます。
Windows OSで動作するModbus Pollなどの一部の基本ソフトウェアを使用すると、Modbusレジスターに直接アクセスし、レジスターのアドレス52番に対しデータ0x01を使用して「Write Multiple」コマンドを実行することができます。
なお、ある1つのリソースに対応するModbus Write Multiple Registers(コード0x10)をWrite Single Register(コード0x6)に自動的に移行する「スマートPLC」を使用している場合は、Write Single Registerはメッシュゲートには受け付けられません。そのため、リセットコマンドを送信して、インターバル時間(既定値は5分)を上書きするため、連続した2つのレジスター52番(コマンド用語)および53番(記録インターバル時間)にModbus Write Multiple Registersを強制的に移行することができます。
Modbusの書き込みはまず、タイムアウトエラーを防ぐため、例外コード「05」を有するメッシュゲートにより認識されます。このメッシュゲートは、無線でコマンドを該当EMNに送信することにより、デバイスがコマンドを処理していることを通知します。これを行うには、完全な無線通信交換が必要で、これには数分かかります。そのため、この処理が終了したか判断するためにレジスターのポーリングを行うことが通常は推奨されています。
すべてのEMNデバイスは、有効電力に関するIEC 62053に規定のクラス1に認定されています。これは、全体的な精度が定格電流値(Ipn)の10%から120%の範囲で99%を上回ることを意味します。これらは、無効電力についてはクラス3に認定されています(最大誤差3%)。
ランプがまったく点滅しない場合、EMNデバイスは確実に通電していません。
外付けDC 24V電源を必要とする特定のEMN D3/SP2を除き、すべての標準EMNデバイスは、L1入力ラインおよびニュートラル(N)入力ラインから電力供給を受ける自己給電式です。そのため、少なくともL1ラインおよびNラインを接続する必要があります。
標準のEMNデバイスに給電するため、少なくとも2本のライン(L1およびN)を接続する必要があります。
また、電力計であるEMNは、電力測定のため電流および電圧のサンプルを必要とします。電流は、それぞれが1つの電気的位相に割り当てられたCTセンサーまたはRTセンサーにより測定され、電圧は、対応する位相に接続する必要のあるL1、L2、L3、およびN(3相およびニュートラル)の各ラインより測定されます。
EMNの周波数が50~60Hzの範囲外の場合、ランプは3度点滅します。周波数測定はラインL1で実施されるため、周波数が規定範囲(45~65Hz)外の場合、または電圧が70Vrms未満の場合、この出力を確認してください。
前回EMNの電源を切ったときに発生したEEPROMチェックサムエラーを報告するため、ランプが5回点滅します。主な原因は、Modbusの書き込みアクセスが電源オフシーケンス中に実施されたときにパラメーター修正が適切に完了しなかったことです。このようなエラーは恒久的に残るものではなく、新たに正しく電源オフ/オンサイクルが実施されたら、ただちにエラー信号は消去されます。
このようなトラブルを防止するため、EMNの電源を常にオンにしておくことをおすすめします。理想的には、EMNに故障中も電力の低消費またはゼロ消費を監視させるため、安全電源(UPS)を備えることが望まれます。
1つ以上の位相で負の有効電力値が存在する場合、該当のCTまたはRTが電流に合わせて正しい方向に取り付けられており、正の有効電力値がトランスデューサーの矢印で示されているかを確認してください。また、位相が正しく割り当てられているか(L1にはCT1またはRT1、L2にはCT2またはRT2、L3にはCT3またはRT3)を確認してください。
無効電力値は、負荷の種類により負になる場合があります。
Q (VAR) = Ueff × Ieff × sin φ、φは電流/電圧位相差
sin φ <0 in case of a capacitive load
誘導負荷の場合、sin φ > 0
純抵抗負荷の場合、sin φ = 0
Modbusレジスターテーブル全体を更新するには、各EMNデバイスが3個のデータパケットをメッシュゲートに送信する必要があります。各パケットは、最大サイズを有します。初期設定では、EMNデバイスは、約20秒ごとに定期的に新しいパケットを送信するよう設定されています。
実際には、マイクロコントローラーがタイムスタンプの加算とその送信を担うエンドノードの無線通信向けにデータパケットを準備します。想定される高優先度のエンドノードタスクによっては、この作業には20±1~2秒かかります。そのため、1分(3×20秒)とすべきインターバル時間は、数秒単位で変動することがあります。
カウンター内の新しい値にEMN内部クロックよりもたらされる正確な(1秒の精度)時間のタイムスタンプが付されるため、この変動は重要ではありません。そのため、カウンターの値にアクセスする場合、アプリケーションはModbusレジスター24番、25番、26番のタイムスタンプ情報も読み取る必要があります。これらのタイムスタンプ情報は、分単位の精度で同期していません。
インターバル時間を使用するレジスター(「記録インターバル」レジスター)については、この内部EMNプロセスがインターバル時間と同期し、データがこの正確な時間に保存される場合と同様とはなりません。この場合、Modbusレジスター28番、29番、30番のタイムスタンプ値は、記録インターバル時間の正確な倍数です。
各EMNモジュールには独自のUTCレジスターおよびクロックが備わっています。
UTCレジスターは、1970年1月1日以降に経過した秒数が保存されます。
この日時情報は、電源オフ時には保存されません。そのため、電源をオフにした後オンにすると、EMNは、レジスターがメッシュゲートと再度同期するまで、1970年1月1日のタイムスタンプが付されたデータから送信します。メッシュゲートは、ネットワーク内のすべてのモジュールに定期的に自身の日時の値を無線で送信します。
そのため、アプリケーションがUTCレジスター19番(MSW)および20番(LSW)に1回のアクセスで書き込むことにより定期的にメッシュゲートの日時を更新することが重要です。
アプリケーションノート『EMNブロードキャストおよびサンプリングインターバル時間の再プログラミング手順』(こちらからダウンロード)を参照して、EMNおよびメッシュノードデバイスの台数により、既定のデータ更新期間(60秒)を変更することができます。
1台のEMNデバイスがメッシュゲートと直接通信する(メッシュノードを使用しない)最も単純な例では、ブロードキャスト間隔を1秒まで短縮し、Modbusレジスターを3秒ごとに更新することができます。
メッシュノードが使用される場合、EMNブロードキャスト間隔は3秒まで短縮することができ、Modbusレジスターテーブル全体を9秒ごとに更新することができます。
EMNは、特定のガイドラインに従って金属キャビネット内に設置することができます。Wi-LEMユーザーガイド(こちらからダウンロード)を参照してください。
複数のEMNをDINレールに設置する場合、以下の図の矢印で示されるアンテナの来る左側に空きスペースを確保することをおすすめします。経験的に、この間隔を少なくとも20mm確保しなければならないことが分かっています。
他の物体または導体/ケーブルについても、同じ間隔を確保する必要があります。
CT/RTは、EMNの一部です。ケーブルは、ケース内のプリント回路基板に直接はんだ付けされます。デバイス全体の工場での較正プロセスに依存するEMNの性能に影響を及ぼすことなく(たとえば導管またはキャビネットの穴にケーブルを通すために)ケーブルを取り外すことはできません。CTまたはRTを十分に幅広い導管または穴にすべて通すことが唯一の方法です。
EMNでは、蓄積された有効電力値および無効電力値が32ビットの符号付きレジスター(すなわち2個のModbusレジスター)に保存されます。値には符号が付され、31ビットが有効ビットで、EMNは値0x7fff ffff(10進値で2,147,483,647)まで保存することができます。最大電力値を取得するため、この最大レジスター値を倍率で割る必要があります。
たとえば、5AタイプのEMNでは、各カウンター値を8で割る必要があり、最大有効電力は268,435,456Whです。倍率が0.8の50AタイプのEMNは、2,684,354,558Whまで測定可能です。
実際には、倍率は定格範囲値に反比例するため、EMNの種類に関係なく、以下の計算の結果は同じとなります。
5A EMNにより測定される最大電流(定格電流の120%、すなわち6A)を考慮すると、最大許容電圧(300V)が掛けられた場合に、6A×300V = 1800Wの最大負荷が1位相で得られます。EMNは、この事例では、ロールオーバー前に149,130時間、すなわち6213日、17年以上までカウントし、各位相に最大負荷がかかる場合に3相の合計を報告するレジスターについては事実上6年までカウントすることができます。
EMNでは、特定のインターバル時間中に記録された有効電力値および無効電力値は、16ビット符号付きレジスターに保存されます。そのため、Raw値は、倍率で割る前は32,767に限定されます。記録インターバル時間が既定の5分より長い状態で負荷電流値が高まった場合にこの限度に到達します。Wi-LEMユーザーガイド第7版4~5ページ(こちらからダウンロード)に記載の表を参照してください。なお、3相の合計を報告するレジスターで最初にオーバーフローを起こします。
例として、最初のオーバーフローは、電流がIpnの約85%の合計に10分のインターバル時間で起こります。
内部のオン/オフスイッチを確認してください。
Wi-Pulseに関しては、内部電子回路は3.3Vで給電され、特にプルアップ抵抗(3.3Vまで)が入力に設定されます。そのため、開放コレクター回路からこのような入力を駆動すること、これに該当しない場合は、入力が3.3Vを絶対に超えないことを保証することが推奨されています。これを守らない場合、内部電子回路が損傷することがあります。各カウンターについて、1.5KΩの場合L、10KΩの場合M、100KΩの場合Hと表示されたジャンパー付き入力プルアップ抵抗器を選択することができます。
入力は、初期設定として100Kでプルアップするよう設定されており、33uAパルス駆動が可能です。より大きな電流(330uAまたは2.2mAなど)を駆動する必要がある場合、入力特性をパルス計出力およびケーブル特性に合わせて調整することができます。これらの入力で許容可能な電圧レベルを得ることが目的です。
入力は、電圧が0.8Vを上回る場合は論理レベルが高く、0.15Vを下回る場合は論理レベルが低いと考えられます。
Wi-LEMユーザーガイド(こちらからダウンロード)で説明のとおり、Wi-Temp、Wi-Zone、Wi-Pulseのインターバル時間は、レジスター363番内で5、6、10、12、15、20、30、または1分のうちいずれかの値に調整することができます。
初期設定では、Wi-Zone、Wi-Temp、およびWi-Pulseは、試運転中のオンラインデバイスの検出を早めるため、インターバル時間が1分に設定されています。消費電力を抑え、バッテリーの寿命を延ばすため、少なくともインターバル時間を5分に変更することを強く推奨します。
インターバル時間が短いほど、デバイスがより頻繁に通信を行うため、消費電力が大きくなります。
インターバル時間が1分の場合、バッテリーの寿命は、最長で単4電池3本で最大1年と予測されます!